四国電力は謎が多い会社です。
謎その1
名古屋出身の俳優、玉木宏さんがイメージキャラクター
普通の企業は、イメージキャラクターに採用した芸能人を、ホームページのトップ画面にバーンと紹介しますよね。四国電力は違います。テレビCMに起用している玉木宏さんの写真は、ホームページのトップ画面の一番下に追いやられています。
しかも、玉木さんは名古屋出身です。
謎その2
「よんでん」って読むんですね
東京電力は「とうでん」、関西電力は「かんでん」と呼ばれていますが、四国電力は「四電」を「しでん」と読まずに「よんでん」と読ませています。まぁ、しでんって呼ぶのは演技悪そうですし…
さて、この2つの謎は冗談ですが、次の3つ目の謎は本気(マジ)のやつですw
謎その3
地味?
四国電力を調べれば調べるほど、これといった特徴がないことがわかりました。褒める要素も非難する要素もないのです。ただ、逆に「堅実な会社」とはいえそうです。大手電力会社としてはそのほうが良いのかもしれませんね。
そんな四国電力は果たして四国にお住いの方々に安い電気を供給できているのか?そして、地元の人でも意外に知らない「四国電力の実態」について解説していきます。
四国電力とは?
四国電力株式会社は全国に10社ある大手電力会社の1つです。本社は香川県高松市にあります。
資本金1,455億円、総資産約1.3兆円、年間売上高6,131億円(2016年)、従業員数4,644人の、四国で最大級の規模を誇る企業です。
四国電力の電力供給エリア
四国電力の電力供給エリアは香川、徳島、愛媛、高知の四国4県です。
発電所は、水力58カ所、火力4カ所、原子力1カ所、新エネ1カ所となっています。四国電力唯一の原発は愛媛県にある伊方原発で、一部再稼働しているのですが少々もめています。この件に関しては後ほど詳しく解説します。
中期計画2020にも謎が潜む?
持ち上げておいて落とすようなことになって申し訳ないのですが、「よんでんグループ中期経営計画2020」を読むと、疑問に感じることがありました。
普通の企業ですとこのような公表資料では、ドーンと「売上高を2倍にします!」などとうたうのですが、四国電力はそうはしません。「自己資本比率25%以上!」とか「営業キャッシュフロー1,040億円!」とか、一般の人があまりピンとこないような数値を掲げるのです。これが4つ目の謎です。
そして5つ目の謎が、「2025年度の海外事業利益目標40億円/年」という目標です。四国にお住いの方々も「よんでんが海外で儲けようとしているの?」と首をかしげるのではないでしょうか。これも後で詳しく解説します。
四国電力の電気料金プラン
率直に申し上げます。四国電力は電気料金プランも地味です。「高っ」とは思わないのですが、決して「安っ」とも思わせません。
どの電力会社も「おトク」プランづくりには力を入れるのですが、四国電力はなぜかおトクプランを目立たないようにPRしています。ホームページのデザインからして、そこまで主張しない営業戦略なのかもw
四国電力のベーシックプランとLooopを比較
おトクeプランを紹介する前に、四国電力のベーシックな料金プラン(従量電灯A)と、新電力のLooopでんきの料金を比較してみましょう。
四国電力 | Looop | ||
基本料金 | 最低料金 (11kWhまで) |
403円92銭 | 0円 |
従量料金 | 11~120kWh | 20円00銭 | 24円 |
120kWh~ | 26円50銭 | 24円 | |
300kWh~ | 29円95銭 | 24円 |
このように並べると、やはり「さすがLooopさん」と感じます。
ただ、ほとんどの家庭が必ず使う「11~120kWh」の部分は、なんと四国電力がLooopより4円/kWhも安いです。4円の開きはとても大きいですよ。
しかしです。しかし四国電力は「120~300kWh」でLooopに2円50銭/kWhも負けてしまいます。「300kWh~」ではその差が5円95銭/kWhも離されてしまいます。多くの電力会社は沢山使う人に優しい料金ですが、四国電力は単身に優しい?気がします。
「おトクeプラン」の魅力って何だろう?
先ほど「四国電力はおトクプランまで地味」とディスってしまいましたが、しかし、次に紹介する内容を知っていただければ、納得していただけると思います。
四国電力の「ベーシックプラン(従量電灯A)」と「おトクeプラン」を並べてみましょう。
(ベーシックプラン) | (おトクeプラン) | ||
基本料金 | 最低料金 (11kWhまで) |
403円92銭 | 403円92銭 |
従量料金 | 11~120kWh | 20円00銭 | 20円00銭 |
120kWh~ | 26円50銭 | 26円50銭 | |
300kWh~ | 29円95銭 | 27円79銭 |
ほとんど間違い探しの様相を呈してきましたねw
そうなんです、違いは「300kWh~だけ」です。確かに2円以上の差をつけたことは評価できなくもないのですが、月に300kWh未満しか使わない家庭はまったくおトクを得られません。
しかも、仮に300kWhを超えたとしても、1カ月の電気使用量が350kWhぐらいですとおトクの金額はわずか1カ月108円です。
計算式は次の通りです。
(29円95銭-27円79銭)×(350kWh-300kWh)=108円
2円の差を設定するなら、ユーザーが最も使う11~300kWhの間に設定してほしいです。
四国電力のメリット・デメリット
四国電力はともて堅実でとても地味なので、メリットを探すこともデメリットを探すことも難しかったです。ちょっと無理やりな感じもしますが、利用者にメリットとなりそうなことをいくつか紹介します。
【メリット】南米のチリで儲ければ四国の電気料金が下がる?
四国電力は、大手商社の双日などと組んで、南米チリで太陽光プロジェクトに乗り出します。チリは世界有数の日射量を誇るそうです。要するに日光がさんさんと照っているので、太陽光発電に向いている、ということです。
日本企業が、海外でつくった電気を海外で販売するビジネスを行うわけです。双日は商社なので電力の知識はそこまでありません。そこで四国電力と組んだのですね。
四国電力としては、自社にある太陽光発電の技術を「売る」ことができるので、売上アップが狙えます。海外で稼いだお金が、四国での電気料金の値下げの原資(資金)になったら、四国の方に喜ばれますね。
【デメリット】伊方原発がどうなるか分からない
四国電力唯一の原発は愛媛県伊方町にある伊方原発です。伊方原発には1、2、3号機があり、1号機は廃炉が決まっていて動いていません。廃炉は廃炉で大変なんですけどね。
2号機も2018年3月27日に廃止することを公表しました。3号機は再稼働していて、四国電力は「重要な基幹電源として運転していく」と述べています。
ところが…
2017年12月に広島高裁が3号の運転差し止めを決定しているのです。その理由は、熊本県の阿蘇山が噴火したら安全を確保できないから、というものです。いずれにしましても、もめていることは事実です。
このような内容は、新聞でも大きく報じられています。
四国にお住まいの方はもちろん、原発周辺の方々は失敗でしょうね・・
四国電力の口コミ・評判
「#四国電力」でツイッターの投稿を探すと、ほとんどが原発関連でした。原発は国民の関心が高いので当然といえば当然です。ただ、何度もお伝えしているように”地味さ”がSNSでも露呈していて、紹介するようなツイートはほぼなかったです。
原発反対派の人たちは投稿に熱心
伊方原発に関連するツイートのほとんどは、廃炉決定に関するものです。反対派の人たちは喜んでいますね。
四国電力は正しい判断のできる電力会社であることが証明されました。今後、四国電力さんが伊方原発の原子炉を全て廃炉にするという正しい判断を下されることを、信じております。 #原発 #伊方原発 #四国電力 https://t.co/r2ZL0iUXil
— think4ideal (@think4ideal) 2018年3月26日
これは嬉しい。
四国電力 愛媛・伊方原発2号機を廃炉へ 27日に正式決定 https://t.co/t4awDGGMP5
— Megumi (@hir0814) 2018年3月26日
原発の廃炉が決まったことを歓迎する声は、本当に多くありました。
ただ一般的な話をしますと、原発に賛成している方はあまりツイッターではつぶやかない傾向にあると思います。世論をとらえることは難しいですよね。
原発停止もあり株価急落
四国電力、異議申し立てしただけで株価動くんかいw
— ぶりゅ (@ohagyaaaa) 2017年12月21日
不祥事で株価下落、というニュースを見ると別に問題を起こしたわけでも無いのに株価が下がってる四国電力(9507)が哀れに。
— ひとり配当金生活-さいもん (@hitori_haitou) 2017年12月18日
四電の株価ひどい
原発停止なんて中国や北朝鮮のスパイしか得しないもんな— ウサのすけ (@huwahuwasouffle) 2017年12月13日
皆が言っているように何したって訳じゃないのに、これだけ株価に影響するんですね…。原発ってそれだけすごい影響力だと気づかされました。
顧客サービスは大丈夫?
ツイッターでは、大手企業は「駄目なところは些細なことでもつぶやかれる」という傾向があります。それでもあえて、四国電力を叱咤する声を紹介します。
それは厳しい意見に真摯に向き合って、良い電気を四国のお住いの方々に送ってもらいたいからです。「激励の喝(カツ)」思っていただければ幸いです。
さっきから停電と復旧を繰り返していたんだが、とうとう完全停電。雨止んでるけど。#四国電力 #停電 #松山市
— はと (@coten_coten) 2018年3月4日
こちらの方は、停電からの復旧が遅いという不満をツイートしています。「雨やんでるけど」という静かな突っ込みに怒りを感じますねw
仕事遅すぎる
2017年12月中旬にソーラーパネルを設置して現在2月21日現在
開通どころか工事予定日すら未定個人宅の少量電力くらいで、急いで工事する気は無いみたいです
ソーラーパネ…#電力 #新電力 #四国電力https://t.co/QAgBsWKBYH— 電力会社Hack (@denryokuhack) 2018年2月24日
うーん、企業としてはこのような内容を投稿されるのは痛手でしょう。ソーラーパネル設置後2カ月以上経過しても開通しないのは”かなり問題”ですからね…
まとめ
電力事業は人々の生活の根本を支えるインフラビジネスなので、派手な企業活動が必ずしもよいわけではありません。しかし、現代の企業には顧客に丁寧に説明することが求められています。そのためのテレビCMだったりホームページだったりするわけです。
四国電力の地味さは「わかりにくさ」になってしまっている印象です。
それと、電気料金をとにかく下げてほしいですよね。原発の問題は時間がかかるので、それ以外のコストダウンを頑張ってもらって「どうです、安いでしょ!」って胸を張って言ってもらいたいです。
最後に、生活するうえで欠かせない電気。どうせだったら安いに越したことはないので、対象の新電力を比較して切り替えを検討されてみては?