東北電力の料金や評判は?切り替えた方が得なのか調べてみた

東北電力の料金や評判は?切り替えた方が得なのか調べてみた

新電力の口コミ・評判, 大手電力会社

東北電力のホームページに、なぜかトヨタの「プリウスPHV」が現れます。単なるプリウスではなく「PHV(プラグインハイブリッド)」という高いグレードのプリウスです。

電力会社と自動車会社の意外な関係についてはのちほど紹介しますが、東北電力は「より、そう、ちから。」というキャッチフレーズを掲げ、2011年の東日本大震災からの復興を、他企業や地域と一緒になってなしとげようとしています。

電気の利用者向けには「よりそうeポイント」というサービスで利益還元しています。応援していきたい企業ではあるのですが…

原発の問題や高止まりしている電気料金について、苛立っている消費者は少なくないようです。その点も含めて東北電力のままでも損しないのか?それとも、新電力に切り替えた方がお得なのか?情報を集めてみました。

東北電力エリアじゃない方は下記ページよりお住まいのエリアにお進みください。

≫各エリアごとの大手電力会社

東北電力とは?

東北電力株式会社は1951年に創業した全国に10ある大手電力会社の1つです。大手といわれるだけあって資本金は2,514億円もあり、総資産は約3.8兆円で、年間売上高は1.9兆円です。

大きな企業が少ない東北地方ですので、「兆円企業」の東北電力は地域で際立つ存在といえるでしょう。ちなみに、従業員は約1.2万人もいます。

東北電力の電力供給エリア

東北電力の電力供給エリアは以下の通りです。

エリア
  • 青森
  • 岩手
  • 秋田
  • 宮城
  • 山形
  • 福島
  • 新潟県

発電所は、水力209カ所、火力12カ所、地熱4カ所、太陽光4カ所、そして原子力は2カ所を保有しています。

東北電力の女川原発

東北電力の原子力発電所は女川(おながわ、宮城県女川町)と東通(ひがしどおり、青森県東通村)ですが、いずれも停止中です。ちなみに事故を起こした福島原発は福島県にありますが、所有しているのは東北電力ではなく東京電力です。

具体的な実績など

東北電力の年間売上高と当期純利益の推移は次の通りです(連結)。

POINT年間売上高

2014年2兆1,820億円、2015年2兆955億円、2016年1兆9,495億円

POINT当期純利益

2014年764億円、2015年973億円、2016年699億円

あらら、2年連続で減収です。利益は2015年に盛り返したものの、2016年は700億円を割り込んでしまいました。

何が起きているのでしょう?

東北電力自身の分析によると、販売電力量が減少しているそうです。要するに電気が「売れていない」ということですね。さらに、電気をつくるために必要な石油などの燃料費が高騰しているため、それが利益を少なくさせているのです。

2017年の純利益は2016年より14%減となる600億円程度になってしまうそうです。苦戦というほどではありますが、ちょっぴり心配してしまいます。

東北電力の電気料金プランはおトク感が小さい?

東北電力の一般家庭向けの電気料金プランは4つあります。それぞれ家族構成や電気の使用状況に応じて値下げをしているのですが、はっきり申し上げまして…

うわっ、すごっくおトクだ!

とはならないと思います。とりあえず主要な料金プランを1つずつ確認していきましょう。

よりそう+ファミリーバリュー

よりそう+ファミリーバリュー

よりそう+ファミリーバリュー」は、2世代や3世代が同居する家庭向けのプランです。季節や時間に関係なく電気を使っている家庭向けで、毎月の電気使用量が400kWhを超えると基本プランより安くなります。

ただ、400kWhを下回る月は基本プランのほうが安くなります。ちょっと悩んでしまいますよね。

よりそう+シーズン&タイム

よりそう+シーズン&タイム

よりそう+シーズン&タイム」は、ヒートポンプを使っているオール電化住宅の電気料金が割安になるプランですが、こちらのプランも少し「問題」があります。

それは夜間の電気料金は11円22銭/kWhと安い反面、冬場と夏場の最も電気を使うときの電気料金は42円36銭/kWhと驚く高さなのです。いつも電気の使い方を気にかけていないとなりませんね…。

よりそう+ナイト12

よりそう+ナイト12

よりそう+ナイト12」は、夫婦2人世帯や子供がまだ小さい3人世帯に使いやすいプランです。

こちらも夜間の電気料金をめちゃめちゃ安くしている一方で、昼間の電気料金をかなり高くしています。ユーザーとしては、よりそう+ナイト12にするか基本プランのままにしておくかで相当悩むでしょうね。

よりそう+ナイト&ホリデー

よりそう+ナイト&ホリデー

よりそう+ナイト&ホリデー」は、夜と休日に電気の使用量が多くなるユーザー向けのプランです。社会人の1人暮らしの場合、日中は家にいないことが多いので、こちらのプランのほうがおトクかもしれません。

しかし、こちらプランは夜間と休日の電気料金が15円59銭/kWhとあまり安くありません。基本プランよりは安いのですが、日中は基本プランより割高になります。

うーん、これまた悩んでしまいますね。

よりそう+ナイト&ホリデーは1人暮らしを想定したプランなので、東北電力は「あまり電気は使わないだろう」と考えたのでしょう。電気を多く使ってくれる人には単価を安くして、それほど使わない人にはあまり値下げしない、ということなのでしょう。

ビジネスとしては当然なのかもしれませんが、ユーザーの立場で考えると、やはり「うーん」とうなってしまいますね。

東北電力の基本プランとLooopでんきとの比較

東北電力エリアで人気ある「Looopでんき」。切り替え先として検討している方も多いと思うので、両者の料金比較をしてみました。

東北電力 Looopでんき
基本料金

(別途最低月額料金257円04銭がかかる)

30A 972円 0円
40A 1,296円 0円
50A 1,620円 0円
60A 1,944円 0円
従量料金 ~120kWh 18円24銭 26円
120kWh~ 24円87銭 26円
300kWh~ 28円75銭 26円

東北電力では、基本料金のほかに最低月額料金257円04銭がかかります。その為・・

Looopでんきのほうが安くなる

可能性が高そうです。

確かに「1~120kWh」と「120~300 kWh」の単価は東北電力のほうが安いのですが、Looopとの差はあまり大きくありません。

単価の差は「1~120kWh」で7円76銭、「120~300 kWh」で1円13銭となっていますので1~300kWhの料金を比較すると、東北電力が1,134円60銭安いだけです。計算式は次の通りです。

120kWh×7円76銭+(300-120)kWh×1円13銭=1,134円60銭

しかし、Looopは基本料金も最低月額料金もないので、この時点ですでに「Looopのほうがややおトク」です。

そして、Looopは300kWhを超えると東北電力より2円75銭安くなるため「東北電力との差は開く一方」です。安さで選ぶならLooopでんきかもしれませんね。

東北電力のメリットは「よりそうeポイント」

東北電力とトヨタのコラボはとてもユニークな取り組みで、東北電力を使っている人がプリウスPHVを保有している場合、大きなメリットが得られます。また、東北電力はイオングループとも連携しています。

プリウスキャンペーンもイオンキャンペーンも、東北電力の「よりそうeポイント」が貯まる仕組みです。

よりそうeポイントとは

よりそうeポイント

東北電力の電気を使うと、よりそうeポイントが貯まっていきます。このポイントは…

POINT

  • コンビニやスーパーの電子マネーとして使える
  • 商品券と交換できる
  • 東北6県と新潟の名産品と交換できる
  • 震災復興支援などに寄付できる

といった感じで活用でき、自分のため、他人のために使用することができます。下記ページにログインすることで残ポイントを確認できるので、東北電力の契約者は確認してみましょう!

≫よりそうeねっと

プリウスPHVキャンペーン

プリウスPHVキャンペーン

プリウスPHVは、ガソリンと電気のいずれでも走行できるクルマです。それで「東北電力の電気を充電してプリウスPHVを走らせよう」というコラボレーションがスタートしたわけです。

東北電力のユーザーがプリウスPHV(グレードの指定あり)を買うと、電気モードで10㎞走るたびに、よりそうeポイントが4ポイントもらえます。一般家庭ですと年間1万kmぐらい走行しますので、年間4万ポイント貯まる計算になります。

トヨタは岩手県に工場があるので、その縁でこのコラボが実現したのでしょう。

さらにこのキャンペーンに参加すると、東北6県と新潟県の提携ホテル・旅館に泊まると宿泊1回につき5,000ポイント貯まります。

東北と新潟の観光振興にも一役買っているわけです。

イオンとの提携

東北電力のクレジットカードをつくると、イオンのWAONポイントが2倍のスピードで貯まっていきます。電気を使って貯めたポイントでイオンのスーパーで買い物ができるのは嬉しいですね!

東北電力のデメリット

東北電力を使うデメリットは、メリットが大きくないところ?かもしれません。ちょっと理解しにくい言い方ですいません・・。

4つのプランは想定通りに使わないと安くならない?

先ほど、東北電力が提供しているおトクな4つのプランを紹介しましたが、これについては「東北電力が想定する通りに使わないと安くならないのではないか」という印象を持ちました。

例えば、3世代住宅向けのよりそう+ファミリーバリューは、日中も夜間もまんべんなく大量に電気を使わないと安くなりません。何らかの都合で家族が減って電力消費量が減れば、またプランを見直さなければなりません。

夜が安いプランや休日が安いプランもありましたが、これらもライフスタイルが変わるとおトク感はすぐに消えてしまいそうです。気になるのは…

生活が窮屈になる割にものすごく安いわけではない

ことです。

わざわざプランをつくるのではなく、全体的にすべての人の電気料金を下げたら良いような気がするのは私だけかな?

プリウスを、しかもPHV仕様を買わなければならない

プリウスをしかもPHV仕様を買わなければならない出典:TOYOTA

プリウスキャンペーンは、プリウスを買った人のみが参加できます。プリウスは結構高いクルマですが、プラグインハイブリッド(PHV)仕様はさらに高く、最も安いものでも約330万円もしますw

プリウスキャンペーンの恩恵を受ける人はそれほど多くないのではないでしょうか。

東北電力の口コミ・評判

東北電力関連のツイッター投稿には、残念ながらほとんど良い話は見つけられませんでした。原発に関する批判や、停電に関する情報が多い傾向にありました。

停電に対するクレーム

まずは停電に対するクレームを紹介します。

こちらの投稿者は、テレビゲームをやっているときに停電が起きフラストレーションがたまったと述べています。

この方は職場で仕事をしているときに停電に遭いました。パソコンを使っていたときだったので、被害は大きかったのではないでしょうか。

さらにこの方は、自宅に帰ってからも大変でした。給湯器の電源が切れていたので、水を制御する機能が働かず、水が出っぱなしになっていたそうです。

この方が報告している停電はかなり規模が大きいですね。4万2,000戸に影響が出ています。自然災害ではなく、漏電が原因だそうです。

原発への風当たりは強そう

こうした方々の意見には「大手電力に対する不信感」が感じられますね。原発で作った電気を使って助かっているとはいえ、東北電力には信用と信頼の回復に全力で取り組んでいただきたいですね。

まとめ

東北は冬の生活環境が厳しい地域です。東北電力の方々は長年、寒さと雪と戦いながら電気を送り続けてくれています。頭が下がります。

しかし、エネルギー革命がわき起こっているいま、まずは電気料金の値下げに取り組んでいただけると皆助かるでしょう。メガ企業らしくドーンと利益還元していただけると、かえって売上高がアップするのではないでしょうかw

最後に、東北電力が悪いとは言いませんが、新電力の電気料金と比較してしまうと明らかな差があります。もし、電力会社に拘りがなく「ただ電気代を安くしたい!」という方は、以下の記事など参考にして切り替えを検討してください。