北海道電力の電気料金って高すぎ!評判・口コミが酷い状態に…

北電の電気料金って高すぎ!評判・口コミが酷い状態に

新電力の口コミ・評判, 大手電力会社

多くの北海道民は北海道電力のことを、感謝の気持ちをこめて「ほくでん(北電)さん」と呼びます。なぜなら北電は、日本の国土の22%を占める北海道の隅々まで電気を送っているからです。北海道は離島も多く、北電は海底ケーブルなどを駆使して電気を送っています。

北海道の冬の寒さは際立っています。そのうえ大量の雪が降ります。北電の作業員はそんな過酷な状況下で発電所と送電設備などを守り続けているのです。

しかし、日本は今”エネルギー革命”の真っただ中にあります。北海道民は北電に感謝しつつも、「より良い電気があればそっちを使いたい」と考えているようです。

北電の電気は高い」というのは、残念ながら事実です。

伝統と実績は十分あるけど、同時に古い企業体質も残っている北電は、これからも北海道民に支持され続けることはできるのでしょうか。

北海道電力エリアじゃない方は下記ページよりお住まいのエリアにお進みください。

≫各エリアごとの大手電力会社

北海道電力(北電)とは?

北海道電力(北電)とは?

北電こと北海道電力株式会社は、資本金約1,143億円、総資産約1兆7,690億円、従業員数約5,600人の、北海道内では飛びぬけて大きな企業です。

会社名 北海道電力株式会社
所在地 札幌市中央区大通東1丁目2番地
設立 昭和26年5月1日
資本金 114,291百万円
総資産 1,768,980百万円
従業員数 5,639名

ちなみに、北海道電力のことを「北電」と呼ぶのが当たり前となっていますが、北陸電力も「北電」と呼ばれています。どちらが本当の”北電”なのか?ネットで検索してみると…

どちらも「北電」と略します。

掲示のURLの記事はそれぞれ富山と北海道の地域の記事なのでそれぞれの地元の事情に合った略称が使われているのだと思います。

東京にある会社に勤めていた事があるのですが、その時は、北海道電力は「ほくでん」、北陸電力は「りくでん」と呼んでいました。

呼び方に正解はなさそうでした。ただ、ネット検索で「北電」と検索すると北陸電力もヒットするため、できれば呼び名を統一してほしいですよね。今更ですけど…

浮き沈みが激しい経営状況

北電の発電設備は、水力56カ所、火力12カ所、原子力1カ所、地熱1カ所、太陽光1カ所という内容になっています。ただ北電唯一の原発である泊原発(北海道泊村)は、現在停止中で、再稼働に向けて準備を進めています。

北電の売上高(連結)は、2012年には6,344億円ありましたが、翌2013年には5,830億円と6千億円台を割り込みました。ただその後は回復し2016年は7,241億円にまで回復しました。

純利益は2012~2014年まで赤字でしたが、これも2015年には29億円のプラスに転じ、2016年は213億円にまで増やすことができました。

――と、ここまでは悪くない話なのですが、これ以降、北電に逆風が吹くのです。続きは後段で紹介します。

北電の電気料金プラン

北電の電気料金プラン

北電の電気料金プランには「エネとくLプラン」という割引プランがあります。毎月の電気料金が14,000円(400kWh)以上になっている家庭がこれに切り替えるとかなりおトクになります。

  • 40アンペア契約で月400kWh使用の家庭:一般コースより年7,300円おトク
  • 50アンペア契約で月500kWh使用の家庭:一般コースより年9,400円おトク
  • 60アンペア契約で月600kWh使用の家庭:一般コースより年11,400円おトク

1年間で1万円ぐらい電気料金が安くなるなんて嬉しい限り!と思いきや、ちょっと待ってください。なんかおかしいですよね。

ジッと数字を眺めると「全然トクしない」って思えることがいくつかあります。

エネとくLプランは本当におトクなのか?

北電のエネとくLプランには2つの疑問があります。

なぜ自動に割引してくれないの?

まず指摘したいのは、北電の「エネとくLプラン」のおトク金額は、北電の一般契約と比較している、ということです。

例えば、1個150円のハンバーガを売っているハンバーガーショップが、10個1,400円というセールを実施したとします。顧客は10個買えば100円得するわけですが、ハンバーガーショップ側も売上高が伸びて嬉しいので「100円損した」とは思いません。このとき、誰が買っても10個1,400円ですよね。これが通常の大量に販売するための割引戦略です。

しかし、北電の大量販売割引作戦「エネとくLプラン」はそうではないのです。

エネとくLプランに加入しないと、いくら大量に電気を使っても割り引いてくれないのです。消費者からすると「大量に使ったら自動的に割引してよ」ってなるはずです。

実はそれほど割り引いていないのではないか?

先ほど、エネとくLプランのおトク金額を次のように紹介しました。

  • 60アンペア契約で月600kWh使用:一般コースより年11,400円おトク

しかし例えば「60アンペア契約で月600kWh使用」したときの電気料金って、いくらすると思いますか。電気をこれだけ使うと、通常契約だと電気代は年間262,200円にもなるんです。ここから11,400円を引かれても、4.3%引きにしかなりません。

そもそも、毎月600kWhを使う家庭はよほどの大家族です。つまりこのエネとくLプランの恩恵を受けられる人は、それほど多くないわけです。

Looopでんきとの比較

新電力会社の中でかなり知られた存在であるLooopでんき。北海道電力エリアでも電気を販売して知名度があるため、北電と比較してみました。

北電 Looop
基本料金 1,004.40円 0円
従量料金 1~120kWh 23.54円 29円
120kWh~ 29.72円 29円
300kWh~ 33.37円 29円

北電がLooopでんきに勝てるのは、1~120kWhの間の使用料金だけです。しかも120~300kWhという一般家庭で最も使われる価格帯で、北電は負けてしまっています。

そして、電気を使えば使うほど北電を使うデメリットが拡大してしまうのです。自由に料金設定できる新電力はやはり強いですw

北電から顧客の流出が止まらない理由

日本経済新聞によると、北電の顧客流出が止まりません。2017年の販売電力量は7%も減りました。しかも原油などの燃料調達コストは上昇傾向にあります。

そして2017年4~9月の純利益は、前の年の同じ期間と比べて54%減った54億円でした。つまりこういうことです。

2016年4~9月117億円→2017年4~9月54億円

117億円の利益が54億円に減ってしまったのです。

雨不足という不運も。コスト安の水力発電が十分稼働しなかった

雨不足という不運も。コスト安の水力発電が十分稼働しなかった

確かに北電は不運にも見舞われました。このころの北海道内は降水量が少なく、水力発電の発電量が落ちてしまったのです。

北電は水力発電の割合が大きく、しかも水力は火力より発電コストが安いのです。北電は水力から、コスト高の火力に切り替えざるを得ず、燃料費がかさんで利益を減らしてしまったのです。

これからまだまだ経費がかかる

では、雨が降れば北電は元に戻るかというと、そうでもないのです。

北電が所有する泊原子力発電所は、福島原発と同じように海の近くにあります。そのため北電は、安全対策として泊原発の防波堤を新設しなければならないのですが、この経費はこれから支払っていかなければなりません。

もちろん原発の安全対策は、防波堤だけにとどまりません。北電の電力事業はまだまだ経費がかかるのです。

つまり北電の電気量はまだまだ上がる可能性がある、ともいえるのです。

北海道民に”高い電気”と周知されはじめた

北電ユーザーは「これ以上まだ電気料金が上がるのか!」と思っているのではないでしょうか。

北電の電気料金は、現行でも安くありません。決して安いとは言えない東京電力と比較しても、最低料金の一部で東京電力が高いだけで、そのほかの項目では「ことごとく北電が高い」状況です。

北電 東京電力
基本料金 1,004.40円 280.80~1,684.80円
従量料金 1~120kWh 23.54円 19.52円
120kWh~ 29.72円 26.00円
300kWh~ 33.37円 30.02円

確かに北電と東京電力では、1kWhあたりの電気生産コストが段違いなので、この比較だけで「北電は高い」というのは酷な話かもしれません。

冒頭に紹介した通り、厳しい自然環境で電気事業を行う北電は大変です。しかし、だからといって単価で3円以上の差(=33.37円-30.02円)がつくと、温厚気質の北海道民も、さすがに疑問に感じるのは当然です。

顧客減少の焦りか。追い打ちをかける失敗

新電力に顧客を奪われ続けていたことのあせりでしょうか。北電が重大なミスをしてしまいました。

日経新聞によると、北電から新電力に切り替えた大口顧客が「やっぱり北電の電気を使いたい」といって戻ってきたときに、北電が通常より高い料金を請求していたのです。

「一度うちを裏切ったんだから、ペナルティを課すよ」言っているようなものです。当然ながら、そのような「いじわる」をしてはいけません。法律でも北電のその行為は禁止されていて、公正取引員会という役所が北電に警告していました。

それで北電は、自分の電気を再び使うことになった大口顧客に対して、取りすぎた分を返金することにしたのです。自らミスを認めた形です。

北電の口コミ・評判

北電に対する世間の風当たりは相当強いですね。ツイッターで「#北海道電力」を検索すると、ネガティブな意見が目立ちます。ただ応援する声もあったので合わせて紹介します。

高い電気なのに安くする努力してる?

この問題については関東に住んでいる私でも不服に感じました。甘い汁を吸うのは上層部だけ、それ以外の社員や料金を支払う消費者は後回し…。

北海道住民には特にやるせないですよね。

「北電を使い続ける宣言」が応援になっていない?

この方は、北電に土地を貸しているそうです。そのため、北電の電気料金が高いことを知りつつ、北電を使い続けると宣言しています。

このように言われると、「本当に北電って高いんだな」って思ってしまうのは私だけですか?w

北電も「ほっ」としているのでは

「本格的に検討が7.5%」という調査結果に、北電は「ほっ」と一息ついているのではないでしょうか。

北海道民はあまり新電力への切り替えを考えていない、という見方もできますが「情報収集中」が4割近くいるというのは風向きが変わると相当ヤバい数値だと思います。

TV局「北電もよくやっているでしょ」と評価?

こちらの投稿は、北海道のテレビ局UHB(フジテレビ系)からのものです。

「北海道では大事なスポンサーだから良いこと言うに決まったるでしょ!」というのは別にして、豪雪地帯の北海道で社員の方々は本当に頑張っていると思います。

電気代が高いのは働いている方のせいではなく、暖房の効いた部屋で金勘定だけしている上の方のせいです。「北電=評判悪い」の電気料金のことであって、前線で働いている方には感謝しなくてはいけませんね。

まとめ

北海道の冬場はとても過酷です。その土地で長年、ほとんど大きなトラブルなく電気を送り続けている「ほくでんさん」には頭が下がります。

しかし「北電の電気料金は高い」というのは厳然たる事実です。それに納得していない道民も少なからず存在するので、なんとか工夫して電気料金を値下げしてもらいたいものです。

北電から新電力に変えない理由があるなら仕方ありませんが、電力自由化で安い電気を使えるようになったのは活用すべきです。企業の評判などは抜きにして、単純に切り替えてお得になれる新電力を是非検討されてください。